治療前は金属のバネのついた入れ歯を入れておられました。
金属のバネが目立つことと、バネをかけた歯が順番に抜けてしまってお困りでした。
残っている6本の歯を削ってドイツ式テレスコープ義歯を製作しました。
今までは左右の2本で義歯の力を支えていたものが、前歯6本で支える構造になったことと、6本の歯が連結されたために歯に対する負担が減り、バネの入れ歯に比べて歯を支える骨に対する負担も少ないため、残った歯を守る構造になりました。
上下の残っている歯がそれぞれ半分程度しかなく、奥歯のブリッジも崩れて来ていました。
奥歯がなくなってくると、食事もうまく咬めなくなりお困りでした。
残っている歯を今後守って行くためには、一部分に力が集中しないような設計が必要でした。
上下とも、残っている歯全てを使用したドイツ式テレスコープ義歯を製作しました。
下の入れ歯は合わなくて困っておられたケース
上の入れ歯は残っている歯が少なくなると、地球の引力に引かれて落ちようとする入れ歯を、バネの力で支えることが難しくなります。残っている歯に対する力の負担も大き過ぎ、歯には常に抜かれるような力がかかってしまいます。そこで上あご全体を覆い、義歯が吸い付くことで安定する設計をしました。
下の歯も、残っている歯の状態が良くなかったため、全ての歯を支えとして義歯を製作しました。残っている歯が今後悪くなることがあっても、将来新たに作り直しをしなくても良いような設計となっています。
右上の奥歯を抜いてしまった部分の義歯を支えるために、その手前の歯2本を使用しています。たった2本の歯で義歯を支えるためには、被せる歯の角度や奥歯のかみ合わせの設定が重要になってきます。
奥歯2本がなくなって片側でテレスコープ義歯を支える場合、残っている歯の周囲の骨が十分に残っている場合は、義歯を支えるご自分の歯は2本で設計することがほとんどですが、この写真の治療では歯周病で歯を支える骨が少なくなっていたために手前の歯を3本支えとして使用しています。